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タイ料理が大量に。

ヤマモリ(株) 生分解性プラスチック

少し前であるが、yahooニュースにてヤマモリ(株)が生産工程からでた廃棄物から生分解性プラスチックを生み出すことができる記事を掲載していた。

 

ここでいう廃棄物とは醤油油を指しているが、そもそも醤油油がどういうものか分からない。

記事の中では”「もろみ」を圧搾した際に排出される油のこと”とある。

益々わからない・・・そして醤油の製造工程を知るところに行き着く。

 

醤油の製造工程

工程は原料処理、麹作製、もろみ発酵/熟成、圧搾、火入れに分けることができます。

※あくまで醤油自体ができる工程なので、容器詰め工程は省略する。

 

そして各工程の役割を細かく見てみる。

 

①醤油の原料はシンプルに大豆、小麦、食塩です。厳密にいうとこいくちや甘口などで異なりますが、大きくはこの3つ。

醤油のラベルをみてもこれらの原料が載っているし、日本人たるもの知っている人も多いと思う。大豆は蒸し、小麦は炒って砕く。そうすることで、麹菌酵素の働きを受けやすくしているそう。

 

②次に蒸した大豆と細かく砕いた小麦に麹菌を加え、麹を作製します。

製麹と書いて、”せいきく”と呼びます。砂糖でコーティングされた甘納豆のごとく、大豆が麹菌で包まれたら麹の完成。

 

③麹菌に食塩水を加えて、もろみを作製。

「モロ見え」といったお下劣なものと混同しないように注意です。

食塩水を加えることで麹菌の繁殖を止め、後は麹菌が作り出した酵素に働いてもらいます。この工程にて大豆と小麦からアミノ酸ブドウ糖が生まれます。ここで生まれたアミノ酸ブドウ糖が結合することで醤油色が出てきます。

 

④もろみを発酵/熟成させてできたものを圧搾して、醤油を搾り出します。大豆や小麦の粕とかあるしね。搾りだされたものは「生揚げ醤油」と呼ばれ、この工程で取れた搾り粕は別用途として再利用することもできます。

 

⑤火入れにて醤油に含まれている微生物や酵素を殺します。火入れしない醤油は「生(なま)醤油」、火入れした醤油は「生(き)醤油」と呼び、全くの別物になります。

 

上記をフロー図に表すと以下の通り。意外とシンプルですね。本図は、キッコーマン(株)のHPを参考に作成しております。

 

そして本題の生分解性プラスチックについて。

ヤマモリ(株)が着目したのは、もろみを圧搾したときに副生産物として生まれる醤油粕ではなく、醤油油。今回、カプリアビダス・ネカトールという微生物と醤油油を培養したところ3-ヒロドキシブチレートと呼ばれる生分解性成分を合成できることが発見されました。

 

3-ヒドロキシブチレートやその他ポリマーが合成させることで生分解性プラスチックの一種であるPHA(ポリヒドロキシアルカン酸)が生まれるのです。

従来の工業用石鹸や機械の油への再利用とは異なる利用法ですので、環境に優しく、今後を期待されるニュースでした。

 

ジューガンマイクラップ。