7:30起床。早起きの習慣が染み付いており、自然と目が覚める。社会人の名のもとに起床時間を制限された結果、自然と目覚める身体が作られてしまったのだ。
でもここはタイ。私を制限するものは無く、起きてもやることが無いので二度寝することに。二度寝とは何て贅沢な行為なのだ。
7:50に再び目覚め、身支度をしていると聞きなれた言語で話しかけられた。そう、日本語だ。まさか日本人が同じ宿にいるとは思わなかった。どうやら宿のオーナーに部屋に同じ日本人がいるよと教えて貰ったようで、話しかけてみたという。昨日は日本人かと思って話しかけたら、ベトナム人だったそうだ。
どうやら同じ愛知県出身の方で、現在は知多半島で生活している。
チェンマイから時計回りにメーホンソンループをされていた。今日はバーンラックタイとナムロート洞窟を訪れた後、パーイへ向かうとのこと。バーンラックタイorパーイで再開の可能性がある。
年齢は40歳ということであった。
それを聞き、ふと自分が40歳になったときの姿を想像した。40歳になっても今のようなゲストハウスを巡る旅行をしているのだろうか?正直している姿は容易に想像できる。
高級ホテルや宿に泊まるのも嫌いではないが、値段に合う価値を見出せない。ホスピタリティがいい、清潔感があるとか言うけれど別に寝たら一緒だと思ってしまう。それよりも誰と一緒に行くか、温かみのある料理が食べれるかが大事だと思う。
似た行動をしているのもあってか、気さくで話しやすい人でよかった。一期一会の出会いに感謝し、Instagramを交換した。
朝ご飯のカオトムマットを楽しみにしていたが、残念ながら今日はイチゴ味のビスケットとカフェオレであった。贅沢言うなかれ、出てくるだけありがたいですな。
バーンラックタイは当初予定になかった場所なので、バイク屋にレンタル期間延長しに行く必要があったが、開店前だったのでメーホンソン朝市へと向かった。
2回目の訪問なので、散歩がてら歩いて終了。5Bでエビペーストを購入した。記録を改訂て気付いたが、宿の冷蔵庫に忘れてしまったようだ。放置されて異臭を放っていないか心配だ。
市場には黄色い豆腐があった。なぜ黄色いのだろう・・・
バイク屋で簡単に延長手続きを済ませて、宿のオーナーに荷物を預かってもらえないか相談したところ、「OK!!!」であった。ゲストハウスの親切さには感謝しかない。
ガソリンスタンドにへ給油し、バーンラックタイへ走り始めた。パーイに戻るR1095の途中で曲がり、R4001を北上していくと到着する。曲がる分岐はステッカーが多く貼られた碑が目印となる。
R4001は田園風景が広がり、舗装もされているので走っていて気持ちがいい。
でもやはり北タイの朝は冷え込む。バイクに乗ると一層寒さを感じるので、この時期はダウンと羽織りものは必携である。そしてバーンラックタイは標高1800mほどの高地なので尚更である。
バーンラックタイへは1時間ほどで到着した。サンティチョン村と同様、中国国民党の残党の残党にて作られた村で、千と千尋の神隠しで見る街並みがそこにはあった。
夜には赤提灯がライトアップされ、趣のある景色となる。逆に朝は池に霞が広がり、風光明媚な景色となる。できれば泊まりで来たかったが、今更どうしようもないのでこの瞬間を楽しむことにした。
お茶やドライフルーツ中心に売られており、村の規模を大きくしたメーサロンという雰囲気。茶葉を乾燥させていたり、巨大タンクに入ったドライフルーツが中国を思わせる。お茶の販売価格は安い。
地図を見ると分かるが、ミャンマー国境が近くにある。国境や最北端などの境界好きとしては行かざるを得ない。
バーンラックタイの中心部を離れ、国境へ向かうまでの道沿いには民家が建ち並んでいた。ここらがこの村の生活拠点だろう。
国境にはゲートがあり、軍服を着た若い男性が1名いた。ゲートを指さし、「ミャンマー?」と聞いてみたら微笑んで返してくれた。ゲートの近くまでは注意されることなく、普通に近づくことができる。
特に鉄格子など遮るものは無いので隙あればミャンマーへ行き来することができそうだ。自分がみているとミャンマー側からタイへバイクでやってくる人がいた。軍服の兄ちゃんに証明書のようなものをみせ、通過していた。一日中ゲートの前に立ち、どのような人が通過するのか観察するだけでも楽しいだろう。
国境ゲートから中心街へ戻ると宿で出会った日本人(タカダさん)と再開した。マントウとお茶を食べていたようで大絶賛されていた。
どうやら自分と同じく国境ゲートを目指しているようだ。何故ここまで発想が似るのか。バイクでメーホンソンにいるし、完全に同類である。
「良い旅を!」とタカダさんに別れを告げ、その後は街中をぷらぷら観光した。
お昼ご飯はカオソーイユーナン(雲南カオソーイ)がどうしても食べたかったのでお店を数件回って探した。
お店からみえる景色が素晴らしい。
ココナッツミルクとカレーがベースの一般的なカオソーイと比べ、トマトやニンニク、ピーナッツがベースの味となっている。麺は平麺で、豚そぼろがゴロゴロ入っている。美味しくてリピートしたくなる味だが、これをカオソーイと呼んでいいものなのか。
ラオスにあるカオソーイには納豆がのっているようだし、これまた違う料理だ。
もし華やかな女性から「カオソーイ美味しかった」と言われたときは、「雲南カオソーイ?ラオスカオソーイ?」という確認が必要だ。(そもそも華やかな女性から話しかけられる予定はない。商品の営業くらいだろう。)
他にも茶葉の炒め物を食べたかったが、行った店舗はどこも作っていなかったので諦めることに。きっと日本でも静岡や西尾あたりで食べれるだろう。乾燥中の茶葉は簡単にみつかる。
バーンラックタイを離れたら、タイのスイスと称されているパーン・ウン(Pang Ung)へと向かう。
途中で道を間違え、30分ほど時間をロスしてしまった。過去の経験から、焦ると碌なことがない(頭に縫い傷やアキレス腱近くに大きく後の残る傷をした)ので慎重に行くことに。
パーン・ウンがある村ではカエンカズラが出迎えてくれる。橙色が鮮やかだが、金木犀のような香りはしない。好きだと思える花だ。
パーン・ウン湖畔は静寂があり、のんびりできそうな場所であった。お世辞にもスイスとは言えないが、比較的水も綺麗であった。筏を借りて、釣りをすると楽しいだろう。
パーン・ウンには20分ほど滞在し、その後はバイク屋のおじさんがオススメしてくれた珈琲屋「Uncle Pala Fresh Coffee」を訪れた。
アメリカ―ノ 50Bを注文して飲んでみた。エスプレッソをお湯で薄めたようなものだが、味が濃くて目が覚める。
お店には焙煎所が併設されており、店名の由来となったUncleが豆を煎っていた。見た目や話し方からして、タイ人ではないので英語が通じる。
「どこからきたの?」「日本だよ」「本当に日本人か?髭が生えているじゃないか」と、たわいもない会話をした。
こちらの珈琲屋はゲストハウスも兼ねているので、Uncle Palaともっと話すなら泊まるのがよいだろう。
自分用のお土産として中煎りのアラビカ豆 250gを購入した。290Bと普通にいい値段する。日本に帰ってからの楽しみが1つ増えた。
14:30までダラダラと過ごし、メーホンソン市街地に向けて再出発した。一度走った道なので無心に走る。途中で集中力が切れ、ウトウトしたが何とか持ちこたえることができた。
まずはJD BIKEにてバイクを返却。2日間と短い期間であったが、お勧めの店を紹介してくれたりと親切な対応をしてもらった。おじさんと「Have a nice day」と握手を交わし、バイク屋を去った。ぼったくりとかそんな様子は微塵もなく、ただただよいお店であった。
宿に預けた荷物を回収する前に、手土産としてセブンイレブンにチョコレートフラッペを買いに行った。店に入ると、昨日の店員さんが「また来たぞ!」という顔をした。顔に出るタイプなので、話しかけやすい。
宿にてオーナーへ購入したフラッペを渡し、荷物を回収。メーホンソンバスターミナルへ歩き始めた。30分強の散歩である。
散歩の途中にLotusに立ち寄り、店を出たところ、買い物袋を持ったJD BIKEのおじさんとまさかの再開をすることに。
「今からどこへ行くのだ?」と尋ねてきたので、「バスターミナルだよ」と答えると、「バスターミナルまでバイクで乗せてってあげるよ」と提案してくれた。
言葉に甘え、バイクの後ろに乗り込む。まさかつい15分くらい前に乗っていたバイクに乗せてもらうことになるとは・・・
10分弱でバスターミナルには到着した。それなりに距離があったのでよかった。タイの人の親切さには感謝で一杯だ。再会記念にツーショット撮影。
バスターミナルの周辺には特に何もないので、待合椅子に座っていたら、エネルギッシュなおばちゃんに「パーイに行くのか?ここに座ってな!」と話しかけられた。半ば強引におばちゃん近くの椅子へと座らさせる形に。
「酔い止めはもう飲んだのか?」「バスで食べるお菓子は買ったのか?」と熱い営業をかけられる。酔い止めはもう飲んでいたので断ったが、お菓子の方は押しに負け、タマリンドに砂糖が振りかけられたものを3本購入した。20Bなので可愛いものである。
砂糖がまぶしてあるが、タマリンドの酸味が甘さを打ち消す。口が寂しい時にはいい。
営業が終わると歌を歌い始めたと思いきや、突然「どこから来たのか?」と話し始めた。
「日本からだよ。イープン」と答えると、周りのおじさん達に「イープン、イープン」と話しかけている。
日本人はそんなに珍しいのだろうか。確かにバイクでメーホンソンへ来る人は多いだろうが、バスで来る人は少なそうだ。
「サワディーカーは日本語でなんて言うんだ?」と聞いてくるので、「"こんにちは"だよ」と教えると、繰り返し声に出して発音していた。
出川Englishではないが、教えてもらい、すぐに繰り返し発生する姿は見習うべき姿である。エネルギッシュなおばちゃんから元気をもらい、17:00発の帰りのバスへ乗り込んだ。
バスの隣はタイ人の若い女性だった。シャンプーだろうか、独特の香りが漂う。耐えられない匂いではなくてよかった。
ここからは2.5時間のロングドライブである。酔い止めも飲み、RED BULLのガムも携帯しているので吐くことはないだろう。あとは隣の席の人が吐かなければいい。
メーホンソンからパーイへの道は基本的に街灯がない。18時を過ぎたあたりから道は真っ暗闇へとなる。それにしてもバス運転手の運転の上手なこと。遅い車やバイクがあると煽るような形で、車の半身を反対車線へと出し、一気に抜かすことを繰り返す。
判断を間違えると、正面衝突は不可避だ。乗っている側からすると冷や汗ものである。
途中の検問所にてパスポートを提示する場面があったが、内容は見ず、外観だけのチェックで終わった。明らかに違うと分かるのだろう。
休憩所では尿意を解放した。
誰も吐くことなく、無事にパーイへと到着。メーホンソンとは違って賑やかな街である。まずは宿へとチェックインをする。
今回泊まるのは「Peace of love Pai」。パリピのような名前だが、中心街からは少し離れており、何と言っても個室で1500円なのは嬉しい。
宿は古さを感じるが、寝るのには不自由ないし、水もトイレもある。荷物を下し、ウォーキングストリートへと向かった。
夕飯はがっつりと食べたかったので、「Gorilla cafe and Restraurant」を訪れ、”酔っ払い炒め”こと、パッキーマオを注文。辛さは控えめにした。
ベースとなる味付けはパッシーユと変わらず、オイスターベースである。しかし唐辛子がゴロゴロ入っており、辛さ控えめだが十分辛い。
相変わらずボリュームが多く、50Bでお腹が満たされた。ウォーキングストリートではショートタイプのタイパンツを1枚だけ購入。
食後の一服も忘れない(吸っておりません、冗談です)
お腹は一杯なので今日は夜食は食べず、歯を磨いて寝るだけだ。
明日はチェンマイへ戻る。パーイの下り坂には気を付けて走ろうと思う。
ジューガンマイクラップ