7:15起床。今日はチェンマイからバンコクへ寝台電車で移動する日だ。とはいえ、出発は18:00なので時間は十分にある。
朝ご飯を食べたかったが、残念ながらここの宿には朝食サービスがない。昨日買った牛乳に砂糖を入れて飲むことにした。脳に糖分が渡り冴えていく。冴えたといってもその辺にいる人間の平常運転くらいですが。
軽くストレッチをして、「Go Gym」ではなく「Goldman Gym」へと行くことにした。
TVアニメ"ダンベル持てますか?"ではGoldをSilverに変えたシルバーマンジムが登場するが、チェンマイではGoldから"ld"を取り除いたようだ。受付にて名簿に名前を書いて60B支払う。
タイに来てから3施設目のジムになるが、最も設備は充実しており、機材も新しかった。驚いたのはジム内にムエタイのリングやサンドバッグが設営されている点だ。
トレーニング後には高たんぱく、ヘルシーな食事を提供してくれるカフェまで併設されている。これが日本で近くにあったなら月パス、いや、年パスを払って通いたいと思えるジムである。プロテインボトルが背景になったGo Gymのロゴがかっこいい。Tシャツも販売していたが、390Bと割高だったので購入は止めておいた。
懸垂とチェストプレス、メディシンボールでの体幹トレを実施し、昨日食べたムーガタでのカロリーを消費した。ゴリゴリのマッチョ達を横にトレーニングをするのは集中できますね。何事も環境は割と重要だと思う。
エアコンはなかったが、この時期の早朝であればチェンマイであっても涼しくトレーニングすることができる。筋肉も喜んでくれたので、Lotusにてプロテインを買って宿へと戻った。
カロリーを消費したらどうするか?そう、カロリーを取ればよいじゃないか。ということで朝ご飯を食べに「カオソーイメーサイ」へと向かった。
しかしまたしても開店していない。1月5日に来た時と全く同じ状況である。この店とはどうやら相性が悪いようだ。
でもどうしてもカオソーイが食べたかった。調べたところ、宿の近くにも人気店があったので、宿にバイクを停めて早速向かった。
チェンマイの交通量は多く、多少強引に渡らないと一生渡ることができない。現地の人の動きに合わせることで、渡ることができた。
店名は「カオソーイクンヤーイ」で、25組くらい待つこともあるとか。
朝は空いているのか、待たずに注文することができた。日本でいうとこの、朝からラーメンを食べることになるので当然ではある。
注文して5分ほどで料理にありつくことができた。マナオと赤玉葱、高菜キムチはマストである。ここのカオソーイはチキンレッグが入っており、食べ応えがある。身は軟らかくて美味しいが、個人的には一口サイズの肉が入っていた方が好みだ。「チキンレッグが入っていないと、カオソーイと言えない教」に入信している人も多くいるので、口に出さない方が吉である。
スープはココナッツ成分が少ないのか、水っぽく感じた。味はチェンライの「ラーンポージャイ カオソーイガイ」の方がよかった。揚げ面も平麺も量が少なかったので、人気の割に微妙というのが率直な感想である。
宿へと戻り、スマホの充電だけして11:00にチェックアウトした。
どこに行こうか悩んだが、海老釣りをしに「Pornchai Shrimp Fishing Pond」へ行くことにした。チェンマイ市街地からR108を南下し、サムン交差点を右折すると到着することができる。特に道に迷うことはなく、25分ほどで到着することができた。
12:00開店だったので、それまでは全く相手にしてもらえなかった。生け簀の横に腰かけて時間を待った。
時間になったので受付を済ませ、釣竿を受け取る。特にやり方の説明はなかった。チェンマイ市街地から約30分も離れたら、英語とは無縁になるのだろう。
特別な技量も要らんだろうと針に肉を付けて垂らすこと30分。
一向に釣れない。そもそも当たることすらない。後から来た地元のおじさんは、My 釣り竿を取り出し、早々に海老2匹と蟹1杯を釣り上げていた。
いくら自分が初心者とは言え、ここまで釣れないことがあるのだろうか。何かがおかしい。
その時、受付のお姉さんが「More Big Size」と言いながら私の釣竿を取り上げた。そしておもむろに餌をはさみで切り始めた。そうか、餌が大きかったのか。More Big Sizeの意味をようやく理解した。
「私はブラックバスを釣りに来たんじゃない。海老を釣りに来たんだ。海老で鯛を釣るのではなく、豚肉で海老を釣るのだ」と胸に刻み、釣りを再開した。
経つこと10分。ついに海老を釣り上げることができた。しかし、残念なことに片腕を失った海老であった。
でもこれでボウスはなくなったので一安心。ここから入れ食いになると思っていた。しかしそこまで甘くはなかった。
結局2時間釣りをしたが、釣果は2匹。想像だと食べきれないほどの海老を釣り上げているはずだったのだが・・・
この店に限らず、タイの海老釣り店ではその場で調理してくれる。(調理費は必要)
持って帰るわけにもいかないので、焼いてもらうことに。
「焼いて欲しいのですが」と海老を持って食べる仕草をした。最初は「この量で?まじかよ?」と渋い顔をされた。けれどこれがイエローモンキーの実力なので仕方ない。
海老焼きヒーターなる設備を立ち上げ、網の上に海老を置く。置く前には絞めていた。
ヒーターが熱くなり、海老のタンパク質が変性。アスタキサンチンが表層へと出てくる。海老から水分が抜け、からっと焼けてオレンジ色を纏った。涎が止まらない。
早速食べてみた。身はだいぶ縮んでしまったが、はち切れんばかりにプリプリとしている。塩ではなく、ナムチムを付けていただいた。自然の恵み、いや、人工の恵みに感謝である。
流石に2匹だけだと3分ほどで完食してしまった。正直もっと釣りたかったな。
長方形の生け簀であったが、四隅でよく釣れていた。次回海老釣りするときは、ポイントを定めて狙っていきたい。あと肉を細かく切ることは忘れてはならない。
しかし、途中でシンハービールを飲みながら釣りに参加していたお姉さんがやけに色っぽかった。ここまでの色っぽさを感じたのは初だ。
結果は芳しくなかったが、十分に楽しむことができた。帰り際に釣りをしていたオジサンが「Fun?」と聞いてきたので、「Good」と返した。ここはタイ人にとっての憩いの地のようだ。そんな場所にお邪魔することができてよかった。
到着したときは人っ子一人いなかった釣り堀も、気付けば大盛況だ。
チェンマイ市街に向けてバイクを走らせ、マンゴスクーターにバイクへ。店員さんより外観チェック(特にフロントフェンダー)とバイクの動作確認を受ける。特に問題なく返却することができた。この旅行でバイクに乗るのはこれで終わりだ。事故なく走れたのでまずは一安心。
昼は海老2匹しか食べていないのでお腹が空いてきた。ニマンヘミン辺りを歩くも、特に入りたい店がなかった。トイレにも行きたくなってきたので、時間は早いが、チェンマイナイトバザール向かうことにした。
Grabでバイクを呼び、待つこと5分。予測経路の反対からやってくるではないか。つまり、バイクは逆走してやってきたのだ。
「Police?HaHaHa」と笑っていたが、ヘルメットは渡してくれたし、運転も丁寧だ。バイクにニケツすると運転の仕方がよく分かる。車間を糸を針穴に通すように抜けていくのだ。
自身の運転を振り返ると、車の流れに乗ることばかり意識しており、すり抜けは殆どしなかった。このすり抜け技術が運転時間に直結するのだと感じた。
チェンマイナイトバザールは夜に向け、お店の設営をしていた。この時間帯は勧誘が激しくない。
Big Cに立ち寄ってドライガーリックやマフィンを購入した。暇を持て余し、2023年11月1日にオープンしたというチェンマイ マリオットを眺めたりした。
夕方にこの場所に来てもやることはない。再びGrabバイクを手配し、タイ国鉄 チェンマイ駅へと向かった。
HONDA Scoopiに乗ったオバちゃんが登場した。ヘルメットは渡されなかった。
しかし運転の荒いこと。ブレーキとアクセルが多いし、道が凸凹した壁擦れ擦れの裏道を進んでいく。その分到着時間は早くてよかったが、乗り心地は最悪であった。
駅前は交通量も多く、賑やかであった。
美味しそうなワッフルが目に止まり、Carrant味を購入。味は木苺かと思ったが、レーズンのようだった。
チェンマイ駅にはいたるところに象のオブジェが建てられている。タイらしい駅である。構内には充填ステーションも設けられており、多くのタイ人がたむろしていた。
電車の車内販売は高そうだったので、コンビニで買い出し。LaysのMieng Kam Krob Ros味とSour Cream&Onion味を買った。こんな時ぐらいしかポテトチップスを夕飯にはしないので、悪くない。
発車時刻の18:00が近づいてきたので、乗り込んだ。
今回乗る電車はNo.2のタイプだ。松竹梅でいう、"竹"に当たる。チェンマイ⇔チェンマイのバスといい、最上級を選ばないあたり、つくづく自分は曖昧さを好む日本人だなと思う。
7号車の31番が私の座る席である。赤張りのソファーで汚れもなく清潔にされている。タイ国鉄限定の水もついてきた。
寝台列車に乗るのは人生初なのでワクワクしているのを感じる。まだベッドは折りたたまれたままだが、いつ登場するのだろう、どのようにセットするのだろう。想像ばかり先行する。
片手にEst Colaを持ち、Laysを食べながら車窓からの風景を眺める。電車の移動と共に、窓に映った夕焼けが後方へと流れ、そして日は沈んでいく。そんな中、私はタイ旅行で流れた時間を振り返っていた。
出発から1時間ほど経過し、Khun Tan辺りを過ぎたらベッドメイキングが始まった。手際がよく、1席辺り約1分で準備されていく。
「私メリー、今7号車の31番にいるの」
振り返るとメリーさん、ではなくタイ人のお兄さんがいた。あっという間に完成だ。
荷物置き場は天井に網で浮かせる形で存在していたが、ザックをいれることはできなかったので、下段のデッドスペースに置かせてもらった。
脚は伸ばせるし、充電もできて快適そのもの。充電はできるが、電波が悪く、通信は殆どできない。
気付けば寝落ちしており、時刻は22:30であった。二度寝して起きたら6:10。夜明けとともに大都市バンコクへ到着することができた。
いよいよ私の旅行も終盤を迎えている。やり残すことがないよう、最後まで楽しみたい。
ジューガンマイクラップ