文明人の水平移動

タイ料理が大量に。

RosDee KUA KLING

挽肉があったら何を作りますか?

この質問がきたら、ガパオライスと私は答えるだろう。いや、中華の口であったら麻婆豆腐と答えるかな。

 

もし質問前後で中華料理を食べてたら、麻婆豆腐という回答は得られやすくなる。結局は質問を受けたときのタイミングが重要なのである。

行動経済学ではこのような状況を意図して作り出すことで、意図通りの行動を促すのである。そして知らない内に私たちは状況の作り手の掌で踊らされているのだ。おとり効果、アンカリング効果、ハロー効果などはその1つに過ぎない。

 

では、冒頭の質問「挽肉があったら何を作りますか?」に戻る。

本日の私ならこう答える。「クアクリン」だと。

 

クアクリンとはタイ南部料理で挽肉のカレー炒め(激辛)である。

クア(炒める)+クリン(香る)という単語の組合せからなる言葉である。今回は鶏肉を使用しているのでクアクリンガイが正しい料理名になる。

ブログにて何度か記事にしてるが、タイ南部はマレーシアが隣接していることもあり、ムスリムが多く住む地域である。

プーケットやクラビのようなリゾート地であるのと、北部と比べて血の気が多い人がいると聞くので敬遠している地域である。当然南部の食文化とも関りが少なく、ゲーンマッサマンくらいしか食べたことが無い。

サフランライスを使用したカオモックガイや発酵魚を使用したゲーンタイプラーは食してみたい料理の1つである。

 

たが、今回食べるのはクアクリン。洗剤のクリアクリーンとは間違えることなかれ。

本来であればスパイスからカレー味を作り出していきたいところだが、文明の力にあやかって手を抜かせてもらう。そう、添加物まみれの粉末を使用するのだ。

 

使用した粉末はタイ人大好きな味の素株式会社によるもの。

成分表にはグルタミン酸ナトリウムが当然のように含まれておりますね。あとサイクリングでエネルギー源として重宝するマルチデキストリン。防腐剤として機能する二酸化ケイ素。そして5'-リボヌクレオチド二ナトリウム・・・

 

おいおい、怪しい粉が入っているじゃあないか。

 

調べてみると、魚類から摂取できるうま味成分”イノシン酸ナトリウム"と椎茸からのうま味成分である"グアニル酸ナトリウム"を配合した、うま味の塊でした。

ここにグルタミン酸がプラスされますので、脳が美味しいと認識すること間違いなしな商品であることが分かりました。

 

「胃袋を掴まれて付き合うことになりました!」とか口にする人がいますが、味の素を使えば脳に直接「私の料理は美味しい」と植え付けることができますので媚薬と捉えてもよいのではなかろうか。

 

そんな媚薬を今から作っていきます。ラベルを剥がし、メニューをみながら作りました。

 

①スプーン1杯の油をひいて、挽肉200gを火が通るまで炒める。

②媚薬と60mlの水を加える。流石に挽肉だけでは物足りないので、冷凍していたホウレン草も投入しました。色合いもよいですしね。

③水気が飛ぶまで炒めて完成。

 

調理時間としては5分くらいなので、モンキーでも作れることでしょう。

匂いで分かる、これ絶対辛いやつ。これ絶対うまいやつと検索かけると関連ワードで不味いでてくるので頬が上がりますね。(ニッコリ)

 

食べてみましたがやはり辛い。

どうも後に残る辛さのようだ。でも癖になる美味しさだ。

辛さという味覚は存在せず、痛覚として認識しているという話は有名である。最近では味蕾ではなく、三叉神経のTRPV1と呼ばれる細胞チャネルで認識しているという話も聞く。

 

是非、この商品で細胞に刺激を与えようではないか。商品棚で見かけたときには手を伸ばしてほしいと思う。

 

ジューガンマイクラップ