5:45起床。昨日は寝た後に欧米人軍団が帰ってきて、深夜を越えても音楽を聴いたり、談笑している人がいてよく眠れなかった。
そもそも部屋の構造がおかしい。ベッド横の壁を隔てて談笑できるソファーが設置されているのだ。全く寝る人を配慮していない配置で、見事にそのベッドに当たってしまったのだ涙
最近は熟睡できていないのでメーホンソンでは個室にしようと思ったが、価格をみてゲストハウスに落ち着いた。(1500円以上は高級宿という認識)
早く起きたのには理由がある。今日はご来光を見に雲南系中国人が住むサンティチョン村へ行くのだ。メーサロン同様、中国国民党の子孫が住む村である。
サンティチョン村は宿からバイクで20分ほどの距離にあり、その村の頂上に「雲来」と呼ばれるビュースポットがある。そこで日の出を待つのだ。
ただ、心配なことがある。ご来光ということは当然、日の出前だ。つまり、真っ暗闇の中をバイクで走ることになる。そして日が出ていないとき、奴らは本性を現すのだ。
そう糞犬だ。野生を解放し、テリトリーに入るものを攻撃してくる。
しかし起きたからには覚悟を決めるしかない。スクーターについた夜露を拭き、アクセルを入れる。
走り出して5分もしないうちに奴らと出くわすが、吠えたり追いかけたりしてこない。
対策としてハイビームにしているからだろうか、目をすぼめて眩しさを感じている様子だ。生物の生理現象を利用した我ながら見事な判断だ。でも光に慣れた糞犬が襲ってくる可能性はあるので、同じ方向に向かって走る自動車の後ろを追尾する形を繰り返しながら雲来へと進んだ。小さな子供が親の足の後ろに隠れる姿を真似したわけだ。
真っ暗闇の走行は路面もみづらく、怖かったが無事にサンティチョン村に到着することができた。村の入り口は中国らしい赤や金、白色の門が構えられていた。
サンティチョン村から雲来までは更に5分ほど走ることになる。急勾配の住宅街を走ることになるので、犬に襲われたらひとたまりもない。でも既にアドレナリン全開であったからか、勢いに任せてひたすらに走った。
目的の雲来は赤提灯でライトアップされており、迷うことはない。ピックアップトラックや自動車などが続々と到着する。
20B支払い展望台へ向かう。展望台は既に大勢の人で賑わっていた。
でもやはりタイ北部の山岳地帯は寒い。お茶と蒸しパン(饅頭)を食べながらまったりと日の出を待つことにした。中国の饅頭(便宜上、マントウと呼ぶ)は日本の饅頭(まんじゅう)とは別物で、肉や餡が入っていないプレーンのものを指します。
ほんのりとした甘さが特徴で、三国志に出てくる諸葛孔明が考案した料理だとか。
そしてお茶の美味しいこと。ローズティーだろうか、香りがよい。お茶に関しては全くの素人だが、美味しいと分かるくらいだ。
専ら家では麦茶や烏龍茶ばかりであるが、このような急須に入った茶もよいものだ。イギリスが中国から茶を輸入しまくっていたことも分かる。お茶も発酵食品の1つなので、発酵好きとして嗜むのもよいですな。
そしていよいよ日の出だ。
ご来光を待つのはいつぶりだろうか。最後にいつみたか記憶にない。
やはり日の出は美しい。嫌なことやこの先の人生の不安さを吹き飛ばしてくれる。まさに天然のストロングゼロだ。
別に雲来でなくてもいいので、人生に疲れた人はご来光を見に行った方がよい。地位や名誉、お金は大事なものではあるけど、人生は楽しんだもの勝ちなのだ。(そもそも勝ち負けという表現が不適ですね。)
やりたいことを実行できた人は尊敬できるし、自分もそうありたいと思う。
雲来を歩いていると昨日の夜にパーイウォーキングストリートにあるモスク前で席を譲ってくれたヒジャーブの女性に遭遇した。その時は互いに軽い会釈だけしたが、スクーターに乗ってサンティチョン村へ行こうとしたときに話しかけられた。
「雲来綺麗でしたね。ようこそ、タイランドへ」
数年も経てば、この時の出来事は記憶の隅へと追いやられてしまうが、記録として残すことでそれは半永久的に残る。記録を読み返したときに、記憶が蘇れば充分である。
写真や動画は時間の一部分を切り取ったのみであり、どうしても1つ1つを繋ぐ間に起ったことは残らない。やはり時間空間での印象的な記録を残すには、手記が最適であり、今日のこの出来事はすぐに記録に残した。
サンティチョン村は観光客が買うお茶や中国服、栗などのお金で生計を立てている村である。雲南の街を模しており、タイにいるのに中国にいる気分を味わうことができる。
パーイウォーキングストリートでは欧米人だらけだし、少し走れば中国系タイ人ばかりだ。自分がいまどの国にいるのか分からなくなる。
そしてここでもヒジャーブの女性2名に出会った。流石に出会いすぎなので、互いに苦笑いをし、背を向けた。
宿へと戻り、無料朝食をいただいた。ジョーク(粥)をはじめて食べたが、鳥の出汁とトッピングのドライガーリックが食欲をそそらせる。美味しさのあまりお替りもし、更にトースト2枚を食べてお腹はパンパンである。
昨日から暴飲暴食ばかりだ。パーイという街にいるので、ボイン暴食と言ってもよい。(最低)
パーイにも市場があるようなので、バイクで向かった。
規模は小さく、野菜や調味料が中心に売られていた。山岳地帯だからか、海鮮食品はみかけなかった。
大麻コーヒーのサーバをみつけたが、誰が飲むのだろうか。この写真をみると大麻のラテアートが出てきそうだが、おそらく出てこない。完全なるミスリードである。
こちらの市場でもトゥアナオをみかけたので、2種類購入。どちらも円盤タイプであるが、食べ方が異なる。薄い茶色のものは直接食べるタイプで、濃い茶色は火で炙って食べるとおばちゃんに教えてもらった。
乾燥したキワタの花のガク。その辺に落ちてても食べ物だとは思えないな。
旅行をしはじめてから1週間経過するが、3日分の服しか持ってきていないので洗濯をしにMAMA LAUNDRYへ行ってみた。お金と洗濯したいものを渡すと、洗濯と天日干しまでしてくれるのだ。
しかし残念ながら定休日。仕方なくコインランドリーへ行ったが、なんと全て使用中。
大至急洗濯する必要もないので、先に予定していた「Bamboo Bridge」へ遊びに行くことにした。Bamboo Bridgeへの道は凹凸が激しく、走りづらい。パンクするのは嫌なので、20km/hでゆっくり走行した。
途中で水牛の群れに遭遇したが、糞犬どもと比べると可愛いものである。
Bamboo Bridgeの入場料兼整備費として30B支払い、入場。一面に田んぼ(トゥンナー)が広がっている。
面白いことに複数種類の苗が育てられている。紫、茶、緑と米の種類でこんなに違うものなのか。近くでみても、着色した様子はなかった。
田んぼの上を散歩することができるのだが、散歩道は全て竹で作られている。そのため、歩くとミシミシ竹が軋む音がする。
乾季であるからか、田は干からびていた。稲の成長と時季に合わせて観光するだけでも絵になると思う。
鯉の餌やりをする場所があったので、やってみることに。餌代はこの辺りの学校での昼ご飯として使われるようだ。
よく見ると鯉だけでなく、鯰もいるではないか。鯉を押しやり、餌を奪っていく。隣にいたタイ人のオジサンが、「鯉:プラーカープ」「鯰:プラードゥック」と教えてくれた。
私は教えてもらった単語をつぶやきながら、餌撒きをした。"花咲か爺さん"ならぬ"餌撒きオジサン"であった。そして芸能人がパンピーに手を振る気持ちも少し解った気がした。
橋を進んでいくと途中から水牛の群れに出くわす。泥沼で水浴びをしている水牛の群れがいたので橋から降りて近づいたところ、後ろから子牛が数匹やってきた。
「可愛いなあ」と眺めていたら、親牛もやってくるではないか。子牛のお尻を頭突きして、泥沼に追い立てたと思いきや私の方に迫ってくるではないか。
慌ててその場から逃げ、竹の橋へと上がった。ルートを外れるものではないと、大反省である。
Bamboo Bridgeの突き当りには寺院「Wat Pa Huai Khai Khiri」があり、階段にファランが座っていた。角度的にパンティーが丸見えだったので、ドキッとしてしまった。極楽浄土とはこのような世界なのだろうか。
簡単にお参りだけして、来た道を引き返すことにした。途中には展望台や竹馬もあるので、飽きずに歩くことができる。ただ、暑い中を1時間程歩くことになるので朝や夕方に来るのがよいと思う。
そして、パーイ市内にあるランドリーへと向かった。
ランドリー専用のコインを40Bで入手し、回そうとしたがやはり機械が空いていない。機械の前で待っていると、黒人のお姉さんが「洗濯機の前に自分の荷物を置いておかないと無理だよ」と教えてくれた。正確には、”あまりに流暢な英語だったので、全く聞き取ることができなかったので、実演してもらった”である。
待つこと約25分で機械が空いたので、洗剤を投入してスイッチON。
洗剤はランドリー内で売っていた5Bのやつ。爽やかそうなデザインのものにした。
洗濯を待つ間、「Raja Bamee Khiou」というお店にお昼ご飯を食べに行った。
バミーが人気のお店であるが、異様に米が食べたかったのでカオマンガイトートを注文。価格は40Bであった。
パーイは田舎にあるからか全体的に物価が安く、財布に優しい。バンコクならこの1.5倍はするだろう。
ガイトート、つまりは唐揚げなので味にハズレはなく、苦手な脂肪分も少ない。スイートチリソースをかけて美味しくいただいた。
ランドリーへ戻ると丁度洗濯が終わるタイミングだった。回収し、宿の乾燥機にかけベッドに横たわった。寝不足だったこともあり、いつの間にか爆睡してしまった。
水をあまり飲んでいなかったからか、頭がくらくらする。タイ北部で涼しいとは言え、日中は30℃を越えてくる。熱中症になる前に慌てて水分補給をした。
時刻が16:45となったので「Wat Prathat Mae Yen」へとサンセットを見に行くことにした。通称ホワイトブッダが鎮座しており、パーイの街全体が一望できるスポットになっている。
バイクを走らせ、入り口に着くとランドリーで遭遇した黒人のお姉さんに再開。ここから始まるアバンチュールな関係・・・とはならず、挨拶だけした。
ここから先は糞犬は出禁。建設者は分かってらっしゃる。
長い階段を上っていくと仏塔に着くのだが、手すりには干支を描いたレリーフがありました。龍としては"ナーガ”、蛇として"キングコブラ"が刻まれているのが日本と異りますね。他にも仏教の教えを表現した?レリーフがありました。
頂上では瞑想する者、景色をみて黄昏る者など多くの人間が集まっていた。パーイにいると不思議なことにヨガをやりたくなるし、スピルチュアルにもなる。そうだ、宗教でも始めるか。(冗談です)
沈みゆく夕日と共に少し旅行を振り返ったりした。
日も落ちたので、ナイトウォーキングストリートへと繰り出した。
2回目だと慣れてしまい、初日の新鮮さが失われている。基本的には屋台や店に並んでいる商品は同じで、作っている人や配置が異なるだけである。
でもせっかくなので、色々食べて楽しむ。
まずはCape Gooseberry。日本のお盆によく見かけるホオズキである。ミニトマトのような見た目をしており、中には細かな粒が入っている。水分は少なめで、酸味の強い枇杷のような味である。
個体差が大きいのか、甘みを感じるものから青臭いものと味にばらつきがある。正直苺の方が美味しい。
次に食べたのは"SUSHI"である。日本を離れてからまだ1週間ほどしか経っていないが、日本食が恋しくなってきたのだ。5Bの安い寿司を中心に7つ購入した。全部で40B。
ワサビを付けてもらったが、水っぽい。絶対水で薄めている。
いくらを食べてみたが、当然人工いくらである。プチプチ感はあるが、味や特有の粘り気は一切ない。
他には異様に黄色いマヨネーズがかかった寿司などを食べた。
ただ、どの寿司もすし酢を使用しておらず、米が粘つくことが気になった。まさかタイを訪れて初めてシャリの重要性を知ることになるとは。
でもカニカマサラダとポークカツ寿司は美味しく、この2つはリピートしたい。
食べた後はまるで日本の寿司職人のごとく、作っている様子をみていた。どうやって学んだかは分からないが、寿司っぽい握り方をしていた。本当の寿司職人から見たら酷い有様なのだろう。
でもこのような人たちに正しい握り方を教えてあげる人がいるだけで、店の人気は出るだろうし、日本の寿司が間違って広がっていくこともないと思う。
自分が食べたのは「タイ寿司」という全く異なる料理だったのだ。そう捉えるとおかしいことは一切ない。
安いと思い屋台でちょくちょく買いをしていると、案外いい値段支払っていることがある。これを私は”屋台マジック”と言う。
今日は屋台巡りは切り上げ、レストランでしっかりと食べることにした。
量が多くて美味しい口コミのあった「Gorilla Cafe and Restaurant」というお店だ。ウォーキングストリートから少し離れた場所にあり、バーやマリファナ店に紛れこんでいる。価格は安く、ファラン向けにメニューも英語が併記されている。
好物のタイ料理の1つであるパッシーユを注文した。
口コミ通りのボリュームだ。それでいて味は美味しいし、味変用のマナオも付いている。ここは当たりのお店である。
Lotus's go freshにてPepsiのラズベリー味を買い、宿に帰って飲んだ。
充実した1日であった。今日は熟睡できるとよいな。
ジューガンマイクラップ