KALDIにてチムチュムという聞き慣れないタイ料理キットをみつけたので、購入して作ってみました。
チムチュムとはチム(つける)+チュム(スープに浸す)という単語から成り立つ、イサーン地方を代表する郷土料理の1つです。どうやら肉の生臭さを消すために香草類をふんだんに使った鍋に投入して食べるみたいです。日本のすき焼きに近いのかな。
パッケージ裏をみると『溶き卵を肉絡ませてから食べるのがタイ流』と書かれておりました。「これも生臭さを消すため?」と思いましたがどうやら卵には消臭効果はない様子。
この疑問を解消するために、日本国内にて類似する食べ物を調べてみました。そう、みんなが大好きハンバーグです。子供舌の私も当然大好きな食べ物になります。
※私個人が食べたハンバーグで一番美味しかったのは愛知県 蒲郡市にある炭棟梁というお店です。肉に音楽を聞かせたりと、肉への変態的な愛を感じられます。炭棟梁 - 三河三谷/ハンバーグ | 食べログ
ハンバーグは卵が持つタンパク質の変性という性質を利用し、肉同士を引っ付けることで旨味を閉じ込めております。卵がないと肉汁を閉じ込めることができないので、ただの焼肉になってしまうのです。この考えからすると、タイ流である『溶き卵を肉に絡める行為』は理にかなっているのかな。
それでは開封の儀を行いたいと思います。
個包装された調味料や香草が『ボロンッ』と落ちてきました。
上段 左から;イサーンソース、チムチュムペースト、煎り米(カオクア)
下段 左から;センミ―、ハーブ類
イサーン料理だけあって、カオクアが当然の如く入っていますね。日本だと準備が大変なので"おかき"でも代用可能みたいです。
やはり気になるのはハーブ類。色々入っていますが、決して脱法ハーブなるものではなりません。(タイ料理を食べるとハイな気分にはなりますが笑)
合法性を主張する為にも、ハーブ類の詳細を確認していきます。
唐辛子;ある意味危険ですが、鍋の辛味付けという用途であれば問題なし。
スイートバジル;ホーリーバジルとよく間違えられる可哀そうなバジル。ピザやカプレーゼの上に乗っているイタリア野郎がこれです。
レモングラス;東南アジア料理でお馴染みのハーブ。その名の通りレモンの香りがプンプンします。肉の生臭さを消す主役ですが、料理を食べるときは邪魔になりがち。
ガランガル;カーとも呼ばれるタイ生姜。見た目は似ていますが、独特の風味があり日本の生姜と同じ使い方をすることができません。
カフィアライムリーフ;こぶみかんの葉ですね。葉からも柑橘系の香りがするのでこちらも肉の臭い消しに使用されます。
合法性の確認が取れましたので、プライパンにチムチュムペーストと合法ハーブを投入し、煮込んでみました。この時点で東南アジア独特の香りがキッチンに広がります。見た目は正直よろしくないですが・・・
溶き卵と肉を絡ませるのがタイ流ということでしたので、試してみました。すでに美味しそう。このまま焼いて食べたいですが今回はチムチュム鍋ということなので我慢。先程煮込んだスープに入れたら更に見た目が悪くなってしまいました。
臭い物に蓋をするということで、しめじとはくさいで蓋をしました。蓋をするときには生贄として春雨を入れておきました。
5~10分程煮込んで完成。
イサーンソース(ナンプラー、タマリンド、チリパウダー、胡椒など)にカオクアを入れて、野菜をつけて食べました。鍋に漬けた(チュム)、野菜にソースをつける(チム)。たった今、チムチュムが完成しました。
肝心の味ですが、とにかく辛いです。鍋を食べ進めるほどスープで辛さは緩和されていくのですが、それまではチビチビとソースに野菜をつけて食べることになります。私は初手で春雨をソースにドブ漬けしてしまったので、春雨は最後の最後まで残る羽目になってしまいました。ですので、春雨は後回しにすることをおすすめします。
東南アジアでよく使われている食材の意味を知ることができるよい料理でした。
それにしても辛さで胃が痛い・・・