8:40起床。
普段の習慣で5:30くらいに自然と目覚めたが、二度寝したらこんな時間に。
寝る時間から数えて6時間したら目覚めるよう脳に記憶されているのだろうか。人体の不思議さを感じる瞬間だ。
今日は夢をみていた。
高校時代の陸上部の先輩二人が、母校近くでパン屋を開くという内容であった。
現実世界では、円安により日本が衰退していく中、メガバンクの行員として汗水流して働いている。そんな二人がパン屋を開く世界線も見てみたいものだ。まさに夢の話である。
私のアヌスは昨日食べたガパオライスでシクシクと痛むが、便は好調であった。私のダムが決壊しない辛さの限界ラインが見えた気がする。
身支度を済ませたら、朝ご飯を食べに宿の外へ出る。
散歩しながら飲食店を見て回るが、中々良い店がみつからない。
金玉厨房という下品な店名を見つけ、テンションが上がる。私の脳は中坊のままのようだ。
エミタさんは理解できない顔をしていたが、ニュートンがリンゴの木から林檎が落ちる様子をみて、テンションが上がるのと同じものだと主張したい。
それにしても暑い。既に35℃をこえてるのではなかろうか。早いとこ店を見つけなければ。ラーメンの口だったので、プーケットエアポートインの横にあるお店に入った。
メニュー数は豊富だが、写真もあり番号も振られているので注文は容易。
DuckRiceとRed Pork Noodles+Shrimp Wantonsを注文した。
DuckRiceは中国語と書かれており、おそらく鴨肉が使用されており、身の色が茶色い。最初はカオマンガイかと思ったが、タレが非常に甘い味付けである。特徴からして料理名はカオナーペットヤーン(カオ:ご飯、ナー:上、ペット:アヒル、ヤーン:焼く)が正しいと思われる。カオマンガイの辛さが苦手な人でも食べれる味だ。
そしてRedPork Noodles+Shrimp Wantansはその名の通り、赤い豚肉と海老ワンタンが入った麵である。肉は美味しいのだが、肝であるスープが不味いのだ。排ガス臭いというか、下水を感じる味。おそらく水道水を煮沸して使用している。エミタさんは危険を察し、食べるのを止めた。
私はどうせすぐに汗で排出されるだろう、腹など痛めないだろうと根拠のない自信で食べ続けた。結果から言うと、何もなかったので良かったが、下手すると腹痛で1週間棒に振る可能性もあったので止めておくのが正しい判断だったと思う。
口には合わなかったが、地元民の溢れる人気店だった。
その後は「Super Cheap」というプーケットの地元スーパーへ。
海外に限らず、地元スーパーや市場が好きなので用が無くても入店してしまう。店の前にはスイカが乱雑に置かれていた。
空間を利用した野菜や生鮮品の陳列。開放型の冷蔵庫としての機能を損ねている気もするが、店内のエアコンが相当に効いているので問題はないのだろう。
支払いをするエミタさん。ネッククーラーをしているし、どうみてもタイに馴染めていない日本人だ。
帰りにセブンでカフェラテを買って、宿へと戻った。帰り道には見知らぬ果物(ポメロ?)が落ちていた。
カフェラテと昨日買ったパンダンパンを食べてエネルギー補充。クーラーのきいた部屋から出たくなくなるが、今回の旅の愛車探しへ向かう。
しかしどこも大型か中型バイクの店ばかり。小回りがきき、レンタル金額が安価なScoopiなどはどこも取扱ってない。
暑い中探しているとそれだけで体力がもってかれることもあり、エミタさんがプリプリし始めた。
バイクの機動力とタイ旅行の相性の良さを伝えたが、残念ながら伝わることはなかった。仕方なく空港へと戻り、TAXIを手配することにした。
案内所にはTOWN150Bと表示されており、安いと思ったがNAI YANGの街中の移動を意味しており、自分達の行きたいOLD TOWNではなかった。
OLD TOWNまで650Bと割高。「バイクレンタル2日できるじゃん」と頭の中で思ったが、口に出さなかった。今回の旅行は新婚旅行の位置付けなのだ。
チケットを受け取り、案内所の横の椅子に座って5分くらい待つ。
タクシー運ちゃんに声掛けられる。チケットに記載の番号とタクシーの車体番号が合っていることを確認し、乗り込んだ。
OLD TOWNまでは約1時間かかる。でも景色を見たり、バイクの良さを伝えたりしていたらいつの間にか到着していた。
オールドタウンでお世話になる宿「Alley Hill」まで送ってもらうと、オーナーが掃き掃除をしており、タクシーから降りるとすぐにスタッフの方がウエルカムドリンクのジャスミンティーを持ってきてくれた。
オーナーがすぐに指示を出したのだろう。気配りのできが私とは全く異なる。
チェックインするときには手書きのマップやおすすめのナイトマーケットを紹介してくれた。部屋もきれいで大当たりな予感だ。
少し部屋で涼んだらGrabで「ミーアオゲー」というホッケンミーが有名なお店へ向かった。
プーケットは今でこそリゾート地として有名な場所であるが、元々は欧米人御用達のリゾート地であった。タイ航空が成田-プーケット間を繋げたことで日本人が多く訪れるようになった背景があります。
リゾートだけではなく、サンゴやツバメの巣、スズ、リンも有名で、かつては中国商人が多くやってきて取引をしておりました。
スズを目当てにポルトガル人もやってきていた歴史的背景もあり、旧市街は中国、ポルトガル折衷様式の建物が多く建ち並んでいます。
歴史あるあるですが、移動するときには食文化も一緒に持ち込まれ、ホッケンミーがこのプーケットで広まっていきました。
ちなみに、プーケットの語源はマレー語で丘を意味するブキットという言葉で、その名の取り、プーケットは海岸部以外は丘や丘陵となっております。
ホッケンミー(福建炒面)を意気揚々とオバちゃんに注文したが、残念ながら売り切れ。代わりに泰式炒粿条という料理と猪肉炒飯へと変更した。
最初は「注文をお願いしたいのですが。(ノーン クラップ サン アーハーン ドゥアイ クラップ)」と言ってみたが伝わることはなかった。タイ語のアクセントが難しい。
しかしこの泰式炒粿条の美味しいこと。センミーと豚肉、鶏肉、青野菜、ルークチンを醤油(シーユーダム)で炒めており、上から半熟卵がかけられている。卵の黄身が混ざると味はまろやかになる。日本でいう焼うどんのような存在だろうが、かなり好みの味付けであった。
炒飯はコゲが少々多かったが、ニンニクがガッツリ入っており、スプーンが進む。人気店であることも納得の味であった。
店長が床をシャワーで掃除しながら、上裸で水浴びしている光景も東南アジア特有のゆるさがあってよいと思った。日本なら大バッシングだろうが、自分はゆるさを持つことは大事だと思う。そこまで細かいことばかり気にして生きていたら疲れてしまうでしょ。
そしてレンタルバイク屋探しを再開する。予定していたJJ Motorbikeは閉まっていたので近くにあった「Chai Motorbike Restaurant&Sea Expert Travel Service」を訪れた。
店に近づくとお姉さんが出向かれてくれた。気さくなお姉さんで、エミタさんには小顔、私にはハンサムとリップサービスもしてくれた。
取扱っているバイク点数も多そうだ。1日200Bなので安価だ。臭くないヘルメットも無料で貸してくれる。
北タイ旅行同様にScoopiをレンタルした。白色のボディが美しい。
原付での二人乗りは最初はふらついたが、すぐに身体が馴れてきた。一人で乗るときと違って、後ろの様子が全く分からないのが怖い点だ。急カーブや急発進しないように気を付けよう。
まずは旧市街地を目指して走り始めた。そしてThe OLD TOWNという場所に近づくととんでもない交通量。
車と車の隙間に無理矢理にでも車体をねじ込まないと進めたもんじゃない。緊張で手汗が滲んだ。
早々に中心部を脱出し、少し離れた場所にバイクを停めた。今日は日曜日ということもあり、サンデーマーケットの準備がされている最中であった。
身体も火照ってきたので、エミタさんが行きたがっていた「Torry's Ice Cream」を訪れた。タイとは思えないシノ・ポルトギース様式の建物が並ぶ中にこの店はある。
内装もお洒落で高級感あるカフェだ。若干むず痒さはあるが、居心地は良い。(最近訪れた「極太濁流ラーメンら・けいこ」は早く帰れオーラが強く居心地が悪かった)
定番メニューである、BI-CO-MOIと呼ばれる金の器に入ったアイスクリームを注文。この場合、アイスクリームの味は固定となります。
塩気のあるアイスクリームが甘いココナッツと小豆と絶妙なバランスで合わさる。カフェの雰囲気もあって美味しい。
エミタさんがトイレで席を外したので、待ち時間に日記を書いていたら「こんばんは」と話しかけられる。まだ真っ昼間なのにと思い、顔を上げるとタイ人旅行者がいた。
どうやらウドンタニからの旅行者のようで、日本が好きで少し話せるようだ。
私は「タイ最高!Foow!」と馬鹿丸出しの発言をしてしまう。言葉って難しいですね。日本のことを嫌いにならなければよいのですが。
エミタさんがトイレから戻ってきたので、「妻です」と紹介だけしてお店を後にした。
オールドタウンはThe観光地であり、どこも賑やかであった。景観を楽しみたかったが、サンデーマーケットの屋台に隠れてしまったのは止む無し。
旧市街を歩いていたが、暑い。喉がカラカラの状態でスムージー屋が目に止まった。これは買うしかない。40Bにてマンゴースムージーを購入した。
濃厚だが、水気もあって喉を潤してくれる。あっという間に飲み干してしまった。
単位がkgと観光客向きではない。数個単位で皮剥きされてものがあれば買いたいですね。
屋台と言えば食べ歩き。Kanom Buangというお菓子を買ってみた。
クレープ生地をパリパリに焼いたタイを代表するお菓子である。
味はサワーとスイートが選べたが、MIXにしてもらった。オレンジ色がサワー味で、黄色がスイート味である。
食べてみるとサワーは酸っぱいという意味ではなく、塩気のあるという意味で使われていることが分かった。
最初はオレンジ色と黄色のトッピングは人参とマンゴーかと思ったが、調べてみると違う様子。オレンジ色は刻んだココナッツに塩、コリアンダー、胡椒を混ぜたものであり、黄色は卵黄をシロップで茹でたものらしい。個人的には甘い黄色が好みであった。
休憩をはさみつつ歩いていたが、暑さに身体が順応していないからかエミタさんが参ってしまいChairというカフェに入った。
乾季から雨季に移行するこの時期は最も厚くなる時期だ。日中は40℃を超えるのでクーラーが効いた部屋で身体を冷やさないとやってられない。
屋台ではみかけないスムージー(バジル+パイナップル+ライム+蜂蜜)を注文した。
飲んでみたが、バジルの主張が強すぎる。野菜ジュースの様で健康にはよさそうだが、圧倒的に甘さが足りない。美容雑誌で見るようなヨガ女子には受けるだろうが、甘党タイ好きおじさんには合わなかった。やはりスムージーは甘い果物に限る。
エミタさんが注文したKlwy bwchchi(バナナ+蜂蜜+ココナッツ)は正解だった。
オールドタウンは本日で見納めなので、やり残しが無いようストリートアートを見に行った。プミポン国王やキャミソールを着たガールのイラストが描かれている。
タイとは思えないヨーロピアンな建物。東南アジアを感じられるトタン屋根の建物とは違う味わいがある。
明後日は1日ピピ島で過ごしたかったので、現地ツアーを申し込めそうな店を探す。簡易デスクに座ったおばちゃんがいたので話しかけてみた。
ツアーのパンフレットをみせながら、「1名3800Bだ。でも2名だから4500Bにまけてやる」と言ってきた。値下げ幅が大きく、あからさまに怪しい。
話を聞こうとすると、完全に無視して支払いを迫ってくる。他のツアーデスクでも話を聞きたいと伝えても、聞く耳を持たない。
「パンフレットだけ欲しい」というと「これはダメ」と一蹴される。完全にぼったくりオバちゃんであった。
現地ツアーは諦め、バイクを停めた場所まで戻るときに店頭に多種のツアーカタログが置いてある店「Aries Tour」があったので立ち寄ってみた。
店内からお兄さんが登場したので、「ピピ島に行きたい」と伝えると「店頭に並んでいるのは各種旅行会社が出しているカタログだ。色々あるが、私はこのツアーをお勧めしたい」と言う。
各種旅行会社の違いを聞くと違いについてしっかりと回答してくれる。具体的には、このツアーは○○のオプションが無い、出発時間が遅いので各島の滞在時間が短い。島は多く行けるが、タイトなスケジュールなどだ。
最終的には1600B/名のツアーに申し込んだ。ぼったくりオバちゃんの言い値とは650Bも差となる。
実際に契約するときも、「ホテルには何時に迎えに行くよ。困ったらここに電話して。これは支払証明書なので無くさないように。もし証明書無くしても写真撮ってあるから私に相談してね」と親身になってくれた。
申し込みまでに強引さは一切なく、情報をオープンにした上で接客してくれる良店で、ぼったくりオバちゃんの店とは対照的であった。
やはり話してみて違和感がある人とは契約類はしない方がいい。これはタイに限らずだ。
無事にツアーも申し込むことができたので、バイクを走らせ「NAKA MARKET」へと向かった。せっかくなので記念撮影。
バンコクのチャトチャック市場をコンパクトにまとめたような市場で、服や電化製品(偽物)、屋台が出店していた。
はんぺんソーセージや生春巻き、卵と海鮮のお好み焼きを注文して頬張った。
会場ではLiveMusicも流れており、屋台間の通路も広いので快適に過ごすことができる。
市場を堪能し、ゲートへ戻るとタイ人の少女が路上ライブを行っていた。
Bon Joviの"Livin’ on A Prayer"が流れる。欧米人はノリ始め、周囲を盛り上げる。音楽が世界共通の文化であることを感じる。
そして何より自分よりはるか年下の少女が、このように人前で堂々と歌う姿に感動した。
NAKA MARKETを後にし、宿へと戻る。ネオン輝く夜道をバイクで走ると生暖かい風を感じる。路上でお酒や夕飯を食べている家庭の姿と街灯が横へ流れていく。
宿前の小道には大量の猫がいた。犬ではないので、可愛いものである。
「みゃあみゃあ」と河村市長のように五月蠅い。
汗でべたべたになった身体を洗い、明日に備える。さて、何をしようか。ノープランではあるが、不思議と焦りはない。
ジューガンマイクラップ