人生初の料理教室へ行ってきました。
一概に料理と言っても日本料理、家庭料理、お菓子などジャンルは幅広くありますが、私が選んだのはタイ料理になります。
参加動機
タイ食材屋で調味料や簡単に使えるキットを購入し、定期的に作ってはいますが、我流+冷蔵庫にある食材を使っていますのでどうしても現地で食べた味とはかけ離れていました。パッタイはべちょべちょになるし、ガパオは香らないし、カオマンガイの肉は固いし、そもそも料理のレパートリーが少ない。
食べるのは勿論、料理という行為も好きですし、タイについてもっと深く知りたいという想いが高まり、申し込みました。そして何より、タイ好きという人と関われることも参加した動機ですね。
教室選び
私が住む愛知県ではタイ料理教室を開催している場所が4ヶ所ありました。(kuri-chang調べ)
名古屋タイ料理教室、スタジオ168、クルワミサ、ピッサヌロークですね。
ピッサヌロークは残念ながら東京へと移転してしまったので、実質3店舗のみとなります。
クルワミサは2022年に開講された新しい教室ですが、立地が東岡崎と家から行きづらいことから候補から外しました。三河に居住をかまえる人ならここかな。
スタジオ168は立地もよく、タイ料理教室は開かれていますが、専門はモロッコ料理の様なので見送りました。
でも気になるのは間違いないですね。モロッコ料理やスパイスを学ぶならここかな。
そして今回訪れることにした名古屋タイ料理教室。ホームページでは過去の旅行記から日常生活までこまめに配信されており、素直な表現を文に載せているだけでなく、波乱万丈な人生を送っていそうで、シンプルに面白そうな方でしたのでこちらに決めました。
あとはホームページ上にかかれたメールアドレスにて参加の意向を伝えたら申し込み完了となります。
料理教室へ
そして当日。
朝ご飯を食べ、身支度を済ませて地下鉄に向かいます。しかし足首の痛いこと。
そう、少し前にボルダリングしていたら着地失敗により人生初の捻挫をやってしまったのだ。
激痛でまともに歩けないこともあり、結局開始5分遅れで到着という情けないスタートになりました。(結局全治4週間・・・でも、折れてなくてよかった。)
家のチャイムを鳴らすと、先生が迎え入れてくれました。遅れてしまったこともあり、一礼。
玄関入って奥に進むと長テーブルが置かれており、他の参加者が談笑されておりました。自分以外は全員女性で、1名は常連さんで、もう2名は親子で参加のようだ。
親子でタイ料理教室とは、ヘヴィなタイズキーのようだ。
明日からチェンマイへ1ヶ月、住み込みのマッサージ研修に行くということで、羨ましい限りだ。元々旦那さんの赴任で、タイに住まれていたこともありタイが好きになったようだ。
ちなみに、マッサージ研修とはTTC(Thai Massage Traning Center)で受講できるとのこと。短期、長期で学ぶことができ、住み込みの場合は授業料と宿/朝食/昼食付きで約20万とサラリーマンからすると破格の値段である。チェンマイ市街地からもバイクがあればすぐに行くことができるし、自分も行きたいがサラリーマンという呪縛に縛られている。
もう一名の方は、名古屋市西区出身のかたで、過去に何度か参加されているようで、教室でもらうメニュー表をファイリングを持っていた。比較的寡黙な方だが、その奥にはタイへの熱きパッションを感じとることができた。
先生はというと、タイの民族衣装?に身を包んでいた。そして兎に角マシンガントークである。話す内容はどれも濃かった。
驚いたのは、横山智先生の名著「納豆の起源」を読まれていたことだ。
自分とは読むきっかけは異なっていたが(理由は忘れてしまった)、シンパシーを感じた。チンパンジーではなく、シンパシーだ。
元々は家庭料理をつくられてきており、料理教室もされていたようだ。
○○風料理はこれからは衰退していくという話を聞き、本格的にタイ料理をサワデーすみ芳で学び始めたそう。そして、突如働くことが終わりとなり、現在のタイ料理教室を始めるに至ったとのこと。(事実と齟齬があったらすみません。。。)
山岳会に入って出会った人も中々に個性的な方が多かったが、タイ料理教室も個性的な方ばかりだ。会社という狭い枠組みでは、似通った人ばかりだし、面白みに欠ける。
世の中には面白いことをしている人が多いことを改めて感じた。
調理開始
そしていよいよ調理開始だ。
今回作るのは、1)ゲーン・ハンレー、2)ゲーン・ホ、3)タオスワンの3つである。
料理教室というと、講師が簡単に内容を説明した後、生徒が一斉に料理を開始し、先生がそれをチェックしてアドバイスする姿を想像していたが、それは外れた。
雑談しながら、1つの調理器具を使って参加者全員で作る形式であった。
タオ・スワン
蒸したムング豆をココナッツミルクとタピオカ粉を溶かした、粘度ある液体とともに食べるスイーツである。ムング豆は事前に先生が蒸したものを使用。
鍋にタピオカ粉とパンダンリーフを入れて熱する。パンダンリーフは切れ込みを入れておくと香りが付きやすいだとか。パンダンリーフはタイ食材やベトナム食材店で入手することができる。冷凍されたものも使えるが、香りが落ちるそう。
そして砂糖を入れていく。分量は多いので、各自の好みで調整するとよい。
ココナッツミルクは粉タイプを使用。水に溶き、レンチンして中のタピオカ液が膨らむまで温める。かき混ぜた時にグラスに粉感が出なければOK。
突沸ならぬ、突タピにならないよう、レンジの中身を見ながら温めるのがポイント。
後は、レンジの電源をオフにするのではなく、扉を開けないと余熱で突沸する点に注意。
レンチンでなく、お湯を直接入れて溶かすやり方はダマになるのでNG。
後は盛り付けて完成である。
ゲーン・ハンレー
続いて、メインディッシュのゲーン・ハンレーだ。
先生の中でもタイカレーでNo.1や2を争うという。私も過去にタイカレーで一番好きと明言しており、近しいものを感じた。
タイ旅行10日目(2024/01/08) - 文明人の水平移動
そんな美味しいゲーン・ハンレーだが、豚肉バラ肉を使用する料理であるため、宗教的な理由で人気が広がらないという。こんな美味しいものを食べれないなんて勿体ないと思うが、思想に関しては踏み入れるべきでないだろう。敬虔なムスリムでなければ、食べてるかもしれないが・・・
正月料理なので、非常に手がかかる。特にペーストづくり。
今回はペーストから作成していく。必要なのはプリック、ガピ、ホムデンである。
いずれも気軽にスーパーで購入できるものではないので、準備に時間が掛かる。先生も家で作るときはここのペーストづくりは省略してもよいと仰っていた。
先生が大きい唐辛子と小さい唐辛子を詰めた瓶を部屋の奥から取り出してきた。
小さいものは辛いようで、日本の鷹の爪を代用すると、辛すぎて食べれたものじゃないそう。比較してみれるのは面白いですね。
ガピも市販品と、手作品をみせて貰えた。手作り品の方がエグミの無い香りであったが、今回は合わせ味噌ならぬ、合わせガピを使用する。
プリックとガピ(シュリンクペースト)、ホムデンをミキサーに入れ、ペーストにしていく。お勧めのミキサーはPanasonic製 MX-X701。ミキサーの刃が固く、調理用に向いているそうだ。Panasonicの回し者ではないと強く主張されていた。
SHARKのコードレスミキサー”NINJA”の購入を考えていたので、悩む。
ミキサーにかけるとあっという間にペーストが出来上がった。
続いて、ペーストと合わせる具材の調理に入る。
ゲーン・ハンレー用のカレー粉があるようだが、家で作るときは専用品でなく、市販品でよいそう。香りを嗅がせてもらったが、通常カレー粉より若干香り立ちがよい気がした。
このタイミングでタマリンドペーストを濾して、液状にした。タマリンドはタイ料理では外せない調味料。これで若干の酸味を持たせるのだ。トムヤムクンがよい例であろう。
そして生姜とピーナッツ。タイ生姜は辛すぎるので、日本産のものがよい。この量で4人分なので、分量には注意である。
そしてココナッツシュガー。過去にペーストタイプでないものを日常生活で使用していたが、ペーストをみるのは初めてだった。KALDIにも置いてありそうだし、帰宅するときにでも立ち寄ってみる。
そして主役の豚バラ。バラ肉とは腹部の肋骨についているお肉を指している。
油をひいて、バラ肉の表面を焼いていく。柔らかさを残すために、片面を焼くだけでOK。焼き目がついたら、一度別の皿にあけておく。
そして先ほど作ったペーストを水気が飛ぶまで炒めていく。灰汁取りはペースト成分も一緒に取ってしまうので、不要とのことだ。
そして豚バラ、、生姜、ピーナッツ、タマリンドペースト、シーユーダム、ニンニクの酢漬けを入れる。豚に火が通るまで煮たら完成だ。
ニンニクの酢漬けは瓶入りでタイやベトナム食材やに売られている。自分の家にもあるが、このように使用するとは思わなかったので勉強になる。
最後にココナッツシュガーやシーユーカオで味を調整したら完成だ。
ショウガやカレーペーストなどが混ざり合った匂いで教室が満たされた。
ゲーン・ホ
最後に作ったのが、ゲーン・ホである。グリーンカレーやレッドカレーなどが余った際に、作ったりする料理だそう。なので基本はタイカレーを作る感覚。
余りのカレーはないので、カレーから作っていく。ペーストはNITTAYAを使用した。タイカレーでは高級ペーストである。
ココナッツミルク、水、ナンプラーを混ぜ合わせればレッドカレーは完成だ。
たが、今回作るのはゲーン・ホ。
まずは人参、インゲン豆を炒めていく。
酢漬けタケノコはみたことないが、普通にアジア食材店にあるそうだ。
バイマックルーとバイチャップルー。
葉脈が美しい。タイの道を歩いていると普通に生えているそうだが、意識したことがなかったので気付かなかった。
火がいきわたったらタケノコの酢漬け、バイマックルー、バイチャップルー、水で柔らかくした春雨を混ぜ合わせ、しんなりすれば完成だ。
これにて本日のメニュー3品が揃った。丁度ジャスミン米も炊きあがるので、お皿に米をよそったりと食事の準備を始めた。
食事タイム
そして待ちに待った食事タイムだ。
ゲーン・ハンレーの肉は柔らかく、ミキサーで細かく刻まれたホムデンの舌触りがよい。生姜が入っているからか、心なしかポカポカする。
チェンマイの店で食べた味と遜色ない。個人的には豚バラはもう少しサイズが大きくてもよかったかな。ゲーン・ホと合わせて食べても美味である。
ゲーン・ホは癖もそこまで強くないので、無難に美味しい。実際、グリーンカレーなどタイカレーを作るとカレースープ?が余りがちなので、フードロス料理としてもおすすめできる1品だ。
意外とゲーン・ハンレーが辛いので、タオ・スワンの甘さが刺激を緩和してくれるのでありがたい。あんかけスパのようなとろみがあり、スルッと胃に入り、辛さを包み込んで和らげてくれるのだ。
意外と他の参加者が食べる時間のが速く、最後まで食べ続けていた。
いやはや、美味しかった。
そして食器類を片付け、清算タイム。
参加費の支払いに合わせ、その日に作ったメニューを家で作って復習できるよう、不足分の食材や調味料を先生から購入することができるのだ。
あとは一般的な日本のスーパーで購入できる具材があれば作るだけの状態になるので、効率よく料理の復習ができる良い仕組みだと思った。
ゲーン・ハンレーのペーストを作るのは大変そうだと思ったので、自分はペーストとココナッツシュガーを購入した。
他にも先生が育てている大麻、脱法ハーブ、タバコ(冗談です)香草やタイ野菜の苗も買うことができる。まさにタイ好きにとってのエルサレムである。
そして、教室が終わりそれぞれ帰路につく。
11月は予定が入っているので、次参加するなら12月かな。久々に刺激を受けることができ、よい1日となりましたとさ。(物理的刺激は受け、捻挫中ですが・・・涙)
ジューガンマイクラップ